これからの噺3「手間を惜しまなければ、ええモンできる」

(「これからの噺2」からの続き)

きさ:今までは『手間をかける vs お金』っていう対比で
   お金をかけるか、手間をかけるか、っていう天秤やったんやけど、
   もう、「手間をお金で買えるっていうのはウソや」
   っていうのが、ものづくりでわかってきてん。

   Ge3のせっけんづくりなんか、
   まさにそのものやんか?

 

つる:最近の「普通の」石けんは
   便利なので、時間と手間の短縮に「石けん素地」を使っている。

   それに対して、
   石けん素地でなくオイルから手間暇かけて作ったほう
   やっぱり物凄くよいものが出来る、ってところですか?

 

きさ:そうそう。
   もちろん「ほんものの材料・製法」であるからこそ
   高Ge3値なものがつくれるわけやけどね。

   …それって、石けん作りだけじゃないねん。

   こねくりまわさん方がエエんは、
   食べ物なんかもそうや。

   最近みんな、味の素、使う?

 

つる:・・・そういえば、使いませんね。

   ん~…
   「オムライスなのにケチャップがない!」って
   コンビニに走って買いに行くってのは聞きますけど
   「ごはんつくるのに味の素がない!」って
   コンビニに走って買いに行くってのはは聞いたことないですね(苦笑)

きさ:ほんまや(笑)

   一昔・・・二昔かな?は、
   どの家の台所や食卓にもあって
   あんなに漬け物でも炒め物でも豆腐にでも、
   何にでもかけてたのに、
   最近はあんましかけへんやん?

 

つる:・・・・・・・・・確かに。

 

きさ:もちろん「ある程度」には底上げする力があると思うよ?
   底上げされてシアワセな時代があっったんやろ。
   でも、今はそれじゃあ満足できひんねん。
   …「ある程度」以上にはならへんってことが、
   みんなわかってるんやろな。

   そんなもん入れんでも、
   あるものを、あるように調理したら
   味の素入れるより美味しいって事を
   みんな知ってるねん。

 

つる:ああ~~~・・・

 

きさ:手間を惜しまなければ、味の素入れる必要がない。
   ・・・つまり、タダやねん。

 

つる:おお~~~・・・
   ・・・タダだけど、労力はかけてる・・・
   つまり「金銭に換算できない価値」ってやつですね。

 

(「これからの噺5」に続く)