石けんの材料製法(シモンSTORY3)

Ge3の石けんと、他の石けんの違い

 材料(石けん素地)
工業的に作られる石けんはもちろん、最近は手作りせっけんですら「石けん素地」が使われるのが一般的になっています。
「石けん素地」とはそれ自体が石けんなのですが、好みの香りや添加物を混ぜて再加工しやすくするためにフレーク状にしてある素材です。石けん素地と添加物を混ぜ、加熱冷却し、型に入れて固めると「好みの石けん」ができます。ハーブ石けんでも、お茶石けんでも、炭石けんでも、石けん素地と混ぜれば簡単に出来てしまうわけです。
しかし「石けん素地」そのものが素材になる過程を考えてみると、まず、オイルに成るためにストレスがかかり、オイルから「石けん素地」になる為の石けん化過程でストレスがかかり、それをフレーク状にする事でまたストレスが掛かり、「石けん」製品になるために攪拌加熱冷却して更にストレスがかかっています。
「出来る限りストレスフリー」にしたい私達にとっては、ストレスフルな「石けん素地」を材料に使うことは出来ません。

 製法
 一般的な石けんの製法は大きく分けると、中和法、けん化法、の2つがあります。

 中和法は、主に工業的に量産する際にが選ばれる製法です。これは、アルカリ分解やメチルアルコール反応させたものを塩析して作る方法で、石けんの形を崩れにくくするために、グリセリンなどの不純物を抜いたりする方法です。一般に「不純物」とは「その存在が本来の物質の性質を損なうことが多いモノ」として称されます。しかし、私達は「形崩れをおこさせるグリセリン」は不必要なモノではなく、必要なものだと考えます。グリセリン、つまり、潤い成分をいったん抜くと、手荒れのする石けんになってしまうからです。  たとえ後から潤い成分を加えたとしても、それは「本来あるモノ」よりも質を損なうものである場合が多いのではないかと考えます。

 けん化法は、安定した質の石けんを大量に作りにくい代わりに、技術次第では個性的な成分の石けんが作りやすい古来からの製法です。けん化法には大きく分けて3つがあります。 ・けん化塩析法:加熱してけん化・塩析させ、石けん部分・グリセリン・不純物とを分ける方法。 ・焚き込み法:加熱してけん化させる方法 ・冷製法:加熱せずに反応熱だけでけん化させる方法。

 私達は「形は崩れにくいが、手肌の潤いもとってしまう石けん」を作りたいのではなく「高い洗浄力があり、手肌にやさしい、本来の石けん」を作りたいので「出来うる限りストレスフリー」な製法に拘るので、一番ストレスをかけない製法である「冷製法(コールドプロセス)」を選んでいます。しかも、ただの冷製法ではなく、素材にかけるストレスが極限まで少なくて済むように、独自な冷製法を編み出しました。