これからの噺6「素晴らしいモノを」

(これからの噺5「単純極まりないモノサシ」からの続き)

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きさ:・・・とまぁ、そんあ風に「お金」っていう
   単純なモノサシで回ってる資本主義の世界でも、
   飛び抜けて素晴らしいものは、
   まだ、かろうじて、残ってるねん。

 

つる:まだ、ある。

 

きさ:うん。挙げれば色々あるけど…

   30年前のオーディオ機器で、
   現代の技術の方が優れてるはずやのに
   なんでか現代のモノではかなわんくらい素晴らしいモノがあるって、
   僕、前からわぁわぁいうてるやん?

 

つる:マニアの方にはたまらない「お金に換算できない」性能が高い・・・(苦笑)

 

きさ:そう。
   だから年数だけの査定方法で
   「中古品」の値札貼られてるモンなんか
   びっくりするような安い値段で売ってたりするわけ。
   それを僕は、ウキウキ買うねん。

 

つる:(爆笑)

 

きさ:・・・もちろん、古ければなんでもいいわけじゃなくて
   高Ge3値のものやで?

 

つる:(頷)(苦笑)

 

きさ:飛び抜けて素晴らしいモノに対する接し方・・・
   日本にはかろうじて残ってる…わりと多い方やね。

   いつやったかな・・・
   「日本刀と、拳銃、どっちが勝つか」
   っていうTVやってたけど、見た?

 

つる:あ!見ましたそれ!!
   日本刀が、拳銃の弾を真っ二つにするやつですよね。
   アレ凄かった・・・!

 

きさ:アレね、拳銃には勝つけど、
   マシンガンには負けるねん。

   スローモーションで見たら、
   撃たれてる間に日本刀がたわんで・・・折れてまうねん。

 

つる:・・・oh!なんと痛々しい・・・・・・・・・悲しい・・・

 

きさ:「悲しい」って感じるやろ?
   そういう気持ち、日本人だけじゃないみたい。

 

つる:えっ!そうなんですか?
   日本人以外の人達は、
   どうおもうんでしょうか?

 

きさ:やっぱり「健気に見える」って。

   youtubeとかでその動画をみたらね
   日本人以外のそんなコメントがあるねん。

   ・・・ということは、
   そういうのを感じる感性は、
   日本人だけのものじゃないってことやわな。

 

つる:それって、武兎のレビューにもありましたね・・・
   モノなのに「なんだか健気に感じる」って。

 

きさ:うん。
   「ほんとうのモノ」にはみんなそう思うみたい。

   ほんとうのモノを作る・・・
   あるものを、あるように作る、っていう方法が
   かろうじて残ってるよ。
   世界各国にね。

   ほんで、わかる人には、わかるみたい。

   日本刀の作り方なんか、まさにそうやねんけどな。
   長い時間かけて、変わらない作り方で作って
   できたモノの素晴らしさと美しさに作った人が喜んで・・・
   物凄く高いけど、買う人は喜んで買うやン?

 

つる:必要な人が、買いますよね。
   ・・・欲しい人だけが、買いに行く・・・

   欲しい人が、自分で欲しいモノを「買いに行って」
   作って売った人は「喜んでまた作る」し、
   買って貰ってきた人も「嬉しい」
   そういう仕組み………

 

 

(これからの噺7に続)