やっと観ました、風立ちぬ

やっと観れました。Ge3値126pの映画「風立ちぬ」
(ネタバレあるかもしれません。観てない人はUターンどぞ!)

物凄く色が綺麗で、細部の細々した人達までよくもまぁって思う映画でした(作るの大変だったろうなぁ!)
人の声で作った効果音が、素晴らしく面白く状況に合ってて怖くて。
地震の音とエンジンの轟音の方向性が同じ表現なのがぐっときた!
どっちも現実の音じゃないのに、現実よりそれっぽい。
色の監督さん音の監督さんの仕事っぷり格好エエわぁ… (*´艸`*)キュン

地震で地面が波打つ瞬間、
色んな飛行機のエンジンがかかる瞬間、
飛行機が飛びながらバラバラに分解する瞬間、
風に煽られておっきなパラソルが飛んで行く瞬間、
鉛筆が紙の上を滑って芯が削れてゆくあの手触り、
ガタンゴトンっていう汽車や電車それぞれの揺れの違い、
濡れた路面の煉瓦が、動く車のライトの光にひとつづつきらめくのだとか、
…風とか振動とか手触りとか光の流れとか、そういう掴みにくいものをあんなにわかりやすく質量を持たせて表現できる人はなかなかおらんじゃろうな〜…ホァ〜…って口が開きっぱなしでした。

庵野さんの声はぴったりでしたね〜(^^)
何かに秀でた所のある人は、ポスンと抜けてるところもあって、
そこを「こいつはこういう奴だ」って柔らかく周囲に受け入れられている様子が
なんともグッときました。
適材適所。


ただ…
ポニョを観た時に感じたなんだか「もにょっと」する感じが、何倍にも濃縮されたような映画だなと感じました。
この「もにょっと」がうまく言えなくてもどかしいんだけど…ストーリー性?ではなくって…う〜ん………嗚呼!もどかしい。ダスダス!(地団駄)
映画中に色んなイデオロギーが飛び交っていますが、震災や戦争、人の生き死にの酷さは直接的には描かれていなくて、映画中の黒川夫人の台詞にあるように、この映画自体が「美しいところだけ」なんだなと。
そんなに美しい映画なのに私は、余白の美しいお皿に盛られたイタリア料理とかではなくて、味はとっても美味しいけれど煮込んでる途中の魔女の鍋のスープのような…そんな映画に感じました。

面白いシーンがてんこ盛りだし、
飛行機が好きなので、また見たいナ〜