泡≠洗浄力?

泡が立つ洗剤や石けんが、皆さんお好きです。

洗っていて楽しいから、ということと、
なにより「泡がよく立つ」と「良く汚れが落ちる」
気がするせいではないでしょうか。

それもそのはず、
「よい泡立ち」とは「しっかり洗浄できる状態であること」の目安です。

正確に言うと、
泡=洗浄成分ではなく「汚れがうまく落ちる状態」で、
洗浄成分が水と程良いバランスで組み合わさったときにできるのが泡であり、
いくら洗浄成分が高い洗剤があっても、洗剤だけでは汚れは落ちません。

洗浄成分を洗う対象に行き渡らせ、
汚れを浮かせる水とのバランスがないと、汚れは落ちてくれません。
 
水と洗浄成分の2つのバランスが上手くとれたときに
「泡がよく立って、汚れが落ちる」
というわけなのです。

 

 

しかし嘆かわしいことに、
「泡がよく立てば、汚れがよく落ちる」という認識を上手く利用して
「泡が立てば売れるのなら、泡が立つ成分を入れればよい」
といって発泡剤が入れられた洗剤が、世に多く出ています。

そういった洗剤は、よく泡立つけれど、
洗浄成分からできた泡ではなく
見せかけの泡なのでで洗浄力が弱いのです。

また、沢山水をかけても何時までも泡が残っているのは、
そういう発泡剤が増粘剤によってくっついているからなのです。

この消えにくい泡を消すためにに消泡剤も入れられます。
こういったモノが添加されていると自然分解されにくいので、
環境汚染にも繋がります。